人民元が必要な時は両替よりATMで引き出した方が安心安全
中国で人民元に両替するために、銀行や両替店に行くと、窓口で待たされたり、パスポートの提示が必要だったりと手間や時間がかかります。
短期間の旅行や出張中だと非常に時間がもったいないので、銀行などに設置してあるATMを利用して人民元(現金)を引き出すのが効率的です。また、両替用の日本円やパスポートを持ち歩く必要もないので安全対策にもなります。
ATMの引き出しの際に適用される為替レートは、VISAやマスターカード、JCB、銀聯などそれぞれの決済会社が、市場のレートを決定したものです(基準レート)。引き出した時点や買い物した時点の市場のレートではありません。基準レートの目安は下記サイトで確認できます。
ちなみに、クレジットカードで買い物した場合は、基準レートにカード会社で事務処理手数料がプラスされます。事務処理手数料はカード会社によって異なりますが、VISA、マスターカードが1.63%、JCBが1.6%としている場合が多いです。
▼平成30年4月26日付けとして発表した各社の人民元の基準レート▼
1元=17.34円 |
1元=17.28円 |
1元=17.34円 |
1元=17.23円 |
※4月26日にカードで支払っても、4月26日のレートがそのまま適用されるとは限りません。あくまでも目安ですが、人民元のレートは、「マスターカード」「銀聯」が比較的良いです。
中国でのATM利用について注意点
■ATMの前に立つ前に、あらかじめ引き出す金額を10,000円なら約500元という具合に人民元で確認しておきましょう。当たり前ですが、入力する金額の単位は「人民元」です。
■暗証番号の入力で、繰り返し間違ったり、カードや現金の取出しにもたついたりすると、カードがATMに吸い込まれることがあります。その際は、ATM設置者に連絡するか、カード会社に連絡してください。日本のATMよりカードや現金取り出し口が開いている時間が明らかに短いので、素早く回収してください。
■ATMを操作している間は画面に集中してしまいがちですが、背後や周囲に注意してください。
■ATMはなるべく銀行や商業施設など屋内にあるところを利用しましょう。道路に面しているなど屋外で周りから丸見えのところは避けた方が無難です。
中国ATMから人民元をお得に引き出せるカードは?
中国のATMで人民元を引き出すには、次のようなカードが利用できます。
クレジットカード
デビットカード
プリペイドカード
それぞれの特徴をまとめました。
※「為替手数料」は決済会社の基準レートに加味されるものです。為替手数料が4%の場合、基準レートを1元=20円とすると、20円×4%で、1元=20.8円のレートで算出することになります。使った金額の4%ではないので注意してください。
※ATM利用の際、決済会社やカード発行会社ではなく、ATMの設置者による手数料(時間外手数料など)が別途かかる場合があります。
クレジットカード(海外キャッシングが可能なもの) | |||||||
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(参考)三井住友VISAカード(クラシック)の場合
例えば、決済会社(VISA)の基準レートが1元=20円として、人民元500元をATMから引き出した場合(借入期間30日間)
500元×20円=10,000円×年利18%=10,147円(返済費用)+ATM引き出し手数料108円
⇒人民元500元の引き出しに必要な費用は255円
※年会費がかかります(税別1,250円)。 |
デビットカード | |||||||
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(参考)三井住友銀行「SMBCデビットカード」(VISA提携)の場合
例えば、決済会社(VISA)の基準レートが1元=20円として、ATMで人民元500元を引き出した場合
500元×(20円×3.0%の為替手数料)=10,300円+ATM手数料108円
⇒人民元500元の引き出しに必要な費用は408円
※「SMBCデビットカード」は15歳以上から作ることができます(中学生を除く)。
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プリペイドカード | |||||||
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(参考)ネオマネーVISAの場合
例えば、決済会社(VISA)の基準レートが1元=20円として、ATMで人民元500元を引き出した場合
500元×(20円×4%の為替手数料)=10,400円+ATM手数料200円
⇒人民元500元の引き出しに必要な費用は600円
「銀聯」提携のネオマネーだと、VISAよりもレートが良いので、若干費用が少なくなります。
銀聯はVISAより基準レートが約0.8%良いので、VISAが1元=20円とすると銀聯では19.8円。
⇒人民元500元の引き出しに必要な費用は496円
※「ネオマネーVISA」は、クレディセゾン社が発行するVISA提携の海外プリペイドカードで、日本国内でも使用できます。「ネオマネー銀聯」の方は国内では使えません。海外専用です。 |
まとめ
両替の代わりに、中国のATMで人民元(現金)を引き出すなら、クレジットカードのキャッシングが一番お得です。
キャッシングは借金というか、お金をカード会社に立て替えてもらうことになります。それに抵抗がある人やクレジットカードを持っていない人は、デビットカードがお得です。年会費や為替手数料、ATM手数料が安いところを選びましょう。
ATMの引き出しについては、プリペイドカードは手数料が若干高いので、メリットを感じません。ただ、「銀聯カード」の場合は別です。
中国国内では全てのATMが銀聯カード対応になっていますので、人民元が必要な時は心強いです。ATM以外でも、加盟店がVISAやマスターカードよりも圧倒的に多いことや、人民元との両替レートが良いといったメリットもあります。中国に行く時は、クレジットカードやデビットカードと合わせて、「銀聯」のプリペイドカードがあると重宝しますよ。